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監修:西川 文二・sippo|更新|2018/02/14

犬の気持ちは尻尾に表れる 尻尾の振り方で意味が違う!?

シッポは口ほどに物を言う?
シッポは口ほどに物を言う?

 犬の気持ちを表すサインとして、しばしば取り上げられるものに、「尻尾の動き」があります。飼い主を見つけてうれしそうに尻尾を振ったり、怖そうな敵におびえて尻尾を後ろ足のあいだに入れたりするのは、多くの方が抱いている犬の感情表現のイメージでしょう。ところが、厳密には、「振っているからうれしい」とは限らないのをご存じでしょうか。犬の尻尾に表れる細かい感情の違いを知れば、より正確に犬の気持ちを理解できるようになります。

 

 

まずは普段の犬の状態を知る

 尻尾の状態から犬の気持ちを知るためには、まず「何でもないときの尻尾の状態」を知っておきましょう。普段の状態がわかっていれば、細かい尻尾の変化にもすぐに気付けるからです。


「普段の尻尾」を知るためにおすすめなのが、散歩中、落ち着いて歩いているときの様子を観察することです。ただし、社会化ができていない犬の場合は、外界の刺激に興奮したり、おびえたりしている可能性もありますので注意しましょう。

 

シッポも犬それぞれ
シッポも犬それぞれ

尻尾を振っているときの犬の気持ち

「尻尾を振る犬」は、「うれしい」「楽しい」などのポジティブな感情を抱いていると思われがちです。ところが、犬は不安を感じているときや、警戒心を抱いているときにも尻尾を振ることがあります。


 尻尾を高く上げて、小刻みに振っている状態が、よく見られる「うれしいとき」の振り方です。一方、同じように尻尾を高く上げていても、ゆらゆらとゆっくり振っている場合は、「やる気なら、こっちだってやり返してやるからね」と、様子をうかがっている場合もあります。


 また、低い位置で尻尾をゆっくり振る場合もあります。普段よりも少し低い場合、「うれしい気もするけど、少し不安」、さらに低いときは、「警戒しているよ、反撃するかもしれないよ」という意味になります。


 まずは、尻尾を小刻みに振っているときは「喜び」、ゆっくり振っているときは「不安や警戒」ということを覚えておくと、犬の気持ちをつかみやすくなるはずです。

 

 

尻尾が上がっているときの犬の気持ち

「ヒステリックになっている人」と、「大好きな芸能人と街で偶然会った人」を思い浮かべてみてください。どちらの場合も、その人は「興奮している」といえるでしょう。


 犬の場合も同様で、尻尾が上がっているのは、「興奮している」というサインですが、それが「威嚇」「攻撃的」なポーズなのか、「うれしい」「楽しい」ポーズなのかは、その瞬間の尻尾だけを見てもわかりません。


 犬の気持ちを知る目安となるのが、前述した「通常に比べてどうなっているか」ということです。また、犬がどのような環境下で尻尾を上げたのか、尻尾を上げるまえに何があったかによっても、気持ちを推し量ることができます。さらに、尻尾の状態とあわせて、耳や口元などの様子でも気持ちを知ることができます。これらを総合して判断するといいでしょう。

 

 

尻尾が下がっているときの犬の気持ち

 尻尾が普段よりも下がっているのは、犬がストレスを感じているサインです。ただ尻尾を下げているだけでなく、後ろ足のあいだに入れてしまっているときは、かなり強い不安や警戒心を抱いているといえるでしょう。


 ただし、攻撃性を持っているかどうかは、その時々によって異なります。耳や口元などの様子と、尻尾が下がる前後の状況によって判断しましょう。

 

ふさふさの毛でわかりにくいことも
ふさふさの毛でわかりにくいことも

尻尾が短かったり、ほとんどなかったりする犬もいる

 犬の中には、生まれつき尻尾が短い犬種や、生後まもなく断尾されてしまう犬もいます。このような犬の場合、尻尾の様子から気持ちを読み取るのはとても困難です。日頃から尻尾の細かい動きや変化をチェックしておくとともに、尻尾以外の部分に表れるシグナルを見逃さないようにしてください。


 たくさんのシグナルを知ることで、どのような犬であっても、きちんと気持ちをわかってあげられるようになります。

 


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監修:西川 文二

監修:西川 文二(にしかわ・ぶんじ)

日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。家庭犬のためのしつけ方教室「Can! Do! Pet Dog School」代表。 環境省の「動物適正飼養講習会」講師など歴任(平成20〜22年度、27、28年度)。「犬のモンダイ行動を直す本」(PHP出版)、「イヌのホンネ」(小学館)、「改訂版 犬は知的にしつける」(ジュリアン)など著書多数。

 

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