TOP > 健康寿命を保つために 動物病院を上手に使う

トピックス

sippo・sippo|更新|2015/06/29

健康寿命を保つために 動物病院を上手に使う

東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県だけで3千以上もある動物病院。上手に選ぶにはコツがいる。「家族」の一員になったペットの健康寿命を保つために、知っておくべきこととは──。

 


診療費にばらつき 特定の得意分野も 動物病院の選び方

 ペットが病気になったとき、けがをしたとき、どこの動物病院にかかればいいのか。


 動物病院は、ほとんどが専門科にわかれていないし、診療費もまちまち。手術数の届け出制もない。慎重に選びたくても、判断基準がないのが現状だ。


 そこで、朝日新聞社メディアラボとアエラ編集部が共同で、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)約3400の動物病院に41項目の調査票を送り、約600病院から回答を得た。10月8日発売のアエラムック「動物病院 上手な選び方」には、各病院から得られた回答のうち、飼い主にとって動物病院を選ぶ際の有力な判断基準になるであろう37項目を掲載した(2014年度中にオープン予定の「ウェブ版」についてはすべての回答を掲載)。


 今回はその中から、動物病院を選ぶ際のポイントをいくつか紹介したい。


 まず、診療費や設備の充実度はどう評価すればいいのか。動物病院の診療費は、人間の病院のように一律の設定になっていない。日本獣医師会などが主導して診療費を統一しようとすれば、「一般論としては不当な取引制限にあたる」(公正取引委員会)として、独占禁止法違反になってしまうためだ。


 そのため初診料を見ても、0円から1万200円までかなりの価格差があった。犬猫のフィラリアの予防薬では数千円単位でばらつきがあり、不妊手術については数万円の差が開いた。もちろん飼っているペットの種類、体重、必要な処置の違いが影響してくることは確かだが、動物病院それぞれの値付けによる差も大きいようだ。日本獣医師会職域理事の細井戸大成氏は、こう指摘している。
「手術や診療の料金は病院によってかなり違う。例えば不妊手術の場合、麻酔の仕方や縫合に使う糸の種類などによっても違ってくる。より詳しい検査を求めれば、料金も高くなります」


 可能な検査項目については、基本的な項目で大きな差異はなかった。ただ、かなり特殊な検査が可能な病院も散見された。得意な診療科目があれば、その方面の機器を充実させているところもあった。特定の分野について高度な医療を求めたいと考える飼い主は、そうした病院を選ぶといいかもしれない。

 

 

獣医師の専門性と年間診療、手術数が一つの判断材料に

 ただ検査項目が増えれば費用はかさむ。検査機器がそろっているということは、それだけの設備投資をしており、そのぶん診察費が高めに設定されている可能性もある。ペットにどこまでの医療を施したいのか、飼い主自身が考えておく必要がある。


 一方で、今回の調査から見えてきたのは、飼い主にとってより重要な、ホームドクターとしての「街の動物病院」の選び方の難しさだ。獣医師1人、など限られた体制でやっている病院には、限界があることは飼い主も理解しないといけない。そのうえで、適切なタイミングで、信頼できる別の病院を紹介してくれるかどうかが大切なのだ。


 さらに街の動物病院はそのあり方を、飼い主のニーズや社会の要請にこたえ、様々に変えてきていることもわかってきた。ある分野の専門性を高める獣医師が出てきているのは、近年の変化の一つだろう。調査では「得意な診療科目」や「診療実績が目立って多い犬種や猫種」について聞いているが、それぞれ特徴的な回答をしてきた動物病院は少なくない。


 また、動物病院の各獣医師が所属している学会名、認定医や専門医の資格の有無なども確認した。こうした「専門性」と「年間診療数」「年間手術数」とをあわせて見れば、一つの判断材料になる。もちろん資格などを持っていることが自分のペットにとって最適な獣医師であることとイコールではない。


 栄養指導やしつけ指導に取り組んでいる動物病院もあった。漫然と市販のフードをあげているだけでは、様々な病気にかかるリスクを避けることはできない。しつけを間違えば、飼い主にとってもペットにとっても不幸な日々を送ることになる。
ペットの健康寿命を延ばすために、動物病院には様々選択肢が存在することをまずは知ろう。すると、飼っているペットの種類、年齢、症状、飼い主自身が置かれている状況などによって、自分たちにふさわしい動物病院が選べるようになる。動物病院を使いこなす。その先に、ペットとの長く充実した暮らしが待っているはずだ。
(『動物病院 上手な選び方』から要約)

 

動物病院検索はこちら