「駅で転落」視覚障害者の約4割 「危険な駅」アンケート

(写真は本文と関係ありません)
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 日本盲人会連合(日盲連)は9月6日、視覚障害者が危ないと感じる都内の駅についてアンケート結果を公表した。JR飯田橋駅を挙げた回答が最も多く、次いでJR新宿駅だった。4割近い人がホームから転落した経験があると答えた。


 東京メトロ銀座線青山一丁目駅で盲導犬を連れた男性(55)が線路に転落し、亡くなった事故を受け、日盲連と都盲人福祉協会がアンケートした。8月31日~今月5日に意見を募り、57人が回答した(複数回答可)。


 10人が危険としたJR飯田橋駅は、ホームがカーブしていて電車とホームの間が広く空いている点を挙げる声が目立った。「ホームが狭く、(大半の駅で)ホームドアがない」として、事故のあった銀座線が危ないと指摘する意見も3人から寄せられた。


 危険な体験を尋ねたところ、22人が「人や荷物と衝突したり、音が聞き取りにくかったりして方向感覚を失い、ホームから転落した」と回答。鉄道会社への要望では、「ホームドアの設置」を求める意見が27人で最も多く、「駅員の増員」が12人だった。


 この日は日盲連など視覚障害者や盲導犬使用者、訓練士らの5団体による意見交換会があり、アンケート結果はその中で公表された。今後も会議を重ねて意見をまとめ、国土交通省や各鉄道会社に申し入れをするという。日盲連の竹下義樹会長(65)は「ホームからの転落事故はこれを最後にしたい」と話した。


(根津弥)

 

 

■視覚障害者が危険と感じた主な駅と理由

<JR飯田橋駅 10人>

・ホームが狭い

・駅がカーブしていて、ホームと電車の間が離れている

・電車とホームに高低差があり、気をつけないと足を落としやすい

 

<JR新宿駅 8人>

・ホームの一部で通路が狭く、行き交う人も多いのにホームドアがない

・工事中で床にシートが敷いてあるため点字ブロックが分かりにくい

・点字ブロックの上を歩いていると、柱にぶつかる

 

<JR渋谷駅 3人>

・ホームと電車の間が大きく空いている

・電車とホームの高低差が大きい

 

<JR御茶ノ水駅 3人>

・出っ張っている壁に頭をぶつけやすい

・ホーム上にアーチ型のトンネルのようになっている場所があるが、アーチが低くて頭をぶつける

 

<小田急新宿駅 3人>

・一部のホームにしかホームドアがない

・島式ホームで、柱を避けながら点字ブロックを歩かないといけない

 

※日本盲人会連合と都盲人福祉協会のアンケート調査による

朝日新聞
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