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スクリーンだって猫である 自由気ままな自然体で人気 出演依頼が続々

来年、テレビドラマシリーズの放送と映画の公開を控える「猫忍」©2017「猫忍」製作委員会
来年、テレビドラマシリーズの放送と映画の公開を控える「猫忍」©2017「猫忍」製作委員会

 猫を飼う世帯が増え、猫がもたらす経済効果を「ネコノミクス」と呼ぶ新語も生まれた。長らく犬の独壇場だったスクリーンの世界でも、最近は猫の活躍が目立つ。「俳優猫」の魅力は――。

 ラッシー、ハチ公、タロとジロ……。古今東西の映画で犬たちがみせた熱演は、今も記憶に残る。

 犬たちの名演をたたえる映画賞もある。2012年から始まった犬のアカデミー賞「金の首輪賞」。1回目を受賞したのは「アーティスト」に出たテリアのアギー。死んだふりや2本足でのステップまでみせた。カンヌ国際映画祭の最高賞の「パルムドール」にちなんだ「パルムドッグ賞」も受賞した。

「アーティスト」に出演したアギー
「アーティスト」に出演したアギー
 だが昨今、人間界でも「自然体の演技」が高く評価される時代。自由きままに振る舞う猫の「演技」が人気を集めている。


■侍もメロメロ

 近年ヒットした猫映画は、14年の「猫侍(ねこざむらい)」。北村一輝が扮する浪人侍が、白猫の玉之丞にメロメロになる時代劇で、翌年には続編も制作された。

 玉之丞を演じた「あなご」は、メイキングDVDや写真集なども出る人気に。制作したAMGエンタテインメントの永森裕二事業本部長は「自然体の猫たちがよかった」と語る。

 猫映画の超大作といえば、1986年公開の「子猫物語」。54億円の配給収入はその年の邦画ランキング1位だった。子猫のチャトランが、まるで人間のように冒険する物語だ。

「猫侍」ではあなごも含め3匹の白猫が玉之丞を演じ、それぞれの自然な動きを生かした。「『おっさんと小動物』のコンビが受けた。凝り固まった考えが、猫と触れ合って少しだけ変化する。動物と人間が簡単に仲良くならないようにしました」と永森さん。制作側からみると、猫映画は広い客層が見込める。「犬ファンは好きな犬種が出る作品だけをみる。だが猫ファンは分け隔てがない」

 動物プロダクション大手の「ZOOプロ」(東京都)。5年前には犬の半分程度だった猫の出演依頼数が、今や犬を超える勢いだ。役名がつき、主役と絡む重要な役が増えている。

 同プロのアニマルコーディネーターの北村まゆみさんは、撮影現場で猫がなるべく平常心でいられるようケアに努める。「百点満点の子はいない。気持ちをくみ取ると現場に早くなじんでくれます」


■ますます身近

 ペットフード協会の調べでは、猫の推定飼育数は2015年で987万匹。減少傾向が続く犬を追い越す勢いだ。観客にはこれからますます猫が身近になる。

仕事一筋の中年男性が猫と入れ替わってしまった映画「メン・イン・キャット」©2016 - EUROPACORP - All rights reserved
仕事一筋の中年男性が猫と入れ替わってしまった映画「メン・イン・キャット」©2016 - EUROPACORP - All rights reserved

 11月公開の米国映画「メン・イン・キャット」は、仕事一筋のわがままな社長が突然猫になってしまう物語。97年の大ヒット作「メン・イン・ブラック」のバリー・ソネンフェルド監督が、重度の猫アレルギーをおしてメガホンをとった。こちらは6匹の猫が主役を演じる。日本では来年公開の映画・ドラマシリーズ「猫忍(ねこにん)」の制作が進む。孤独な忍者が生き別れた父親と似た雰囲気の猫に出あう時代劇だ。

 猫が出てくる映画85作と猫の出演時間を載せた「ねこシネマ。」(双葉社)を出版した編集者の猫田虎夫さんは、「ブームはまだまだ続く」と予想する。最近では森達也監督の「FAKE」など、ドキュメンタリーでも猫の存在が光る。「可愛いだけでなく、出演時間こそ短いが印象を残すような作品も増えている」

(伊藤恵里奈)


■猫が活躍する実写映画

【洋画】「三匹荒野を行く」(1963)、「ハリーとトント」(74)、「スペースキャット」(78)、「ネコのミヌース」(2001)

【邦画】「子猫物語」(1986)、「公園通りの猫たち」(89)、「グーグーだって猫である」(2008)、「ねこタクシー」(10)、「レンタネコ」(12)、「くろねこルーシー」(12)、「猫侍」(14)、「先生と迷い猫」(15)、「猫なんかよんでもこない。」(16)、「世界から猫が消えたなら」(16)※カッコ内の数字は公開年