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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2016/05/31

元捨て犬のアミ、聴導犬に 赤ん坊の泣き声を教え、育児を手助け 人を支える補助犬を知って

補助犬の仕事をPRする犬たちに触れる子どもたち=5月22日、千葉県市川市
補助犬の仕事をPRする犬たちに触れる子どもたち=5月22日、千葉県市川市

 障害のある人の暮らしを支える「補助犬」をもっと知ってほしい――。「ほじょ犬の日」の22日、聴導犬、介助犬、盲導犬の関連3団体が、千葉県市川市のニッケコルトンプラザで「ふれあい教室」を開いた。


 補助犬と接する機会のない人に理解を深めてもらおうと、介助犬、聴導犬、盲導犬の関連団体が、それぞれPR用の犬で働きぶりを紹介。介助犬は使用者役の女性の指示で物をくわえて渡し、聴導犬は使用者役を脚でつついてキッチンタイマーが鳴っていることを知らせた。盲導犬も視覚障害のある人を案内した。


 日本盲導犬協会の森川加奈子さん(47)は「犬が仕事中に、なでるといった犬の喜ぶことをすると、集中できなくなり、使用者の命の危険にもつながります」と理解を呼びかけた。

 


■聴導犬を赤ちゃんの声に反応するよう再訓練「育児の不安消えた」


 聴導犬「アミ」と生活する埼玉県所沢市の東(あずま)彩さん(45)に話を聞いた。


 東さんは先天性の難聴をかかえながら、夫の田房克治さん(45)と共に、長女の史帆ちゃん(3)を育てている。


 補聴器をつけても人の言葉を聞き分けられないため、子育ては難しいと考えていたが、約8年前、アミが来て考えが変わった。アミは東さんの視線が届く所にいて、呼び鈴が鳴ったり、炊飯器で米が炊きあがったりすると、脚でつついて教える。常に周りを見回し、気を張って暮らしていた東さんは、安心できるようになり、育児への不安が消えた。


 妊娠後、赤ちゃんの泣き声に反応するようにアミを再訓練し、その助けを借りて史帆ちゃんを育てている。アミは夫にもなつき、すっかり家族の一員だ。歯磨きをしない娘を叱ると、アミが間にすっと入り、仲裁のしぐさを見せることもある。東さんは「本当に一生懸命仕事をしてくれています」と手話で表した。


 じつは、アミは捨て犬で、日本聴導犬推進協会が引き取って訓練した。聴導犬は盲導犬や介助犬と違って力仕事がないため、小型犬や雑種犬でも問題はなく、捨てられた犬も訓練対象になる。同協会の秋葉圭太郎マネジャーは「動物愛護と障害者の補助を両立できる。取り組みがもっと広がってほしい」と話した。


(角野貴之)

 

史帆ちゃんをあやす東さんに、キッチンタイマーの音を知らせに来た聴導犬アミ=4月24日、埼玉県所沢市、角野貴之撮影
史帆ちゃんをあやす東さんに、キッチンタイマーの音を知らせに来た聴導犬アミ=4月24日、埼玉県所沢市、角野貴之撮影

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