イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

犬子(質問主)


犬アイコン 犬 6歳 メス 雑種

体重:15kg

飼育歴:5年10ヶ月

居住地:岡山県岡山市東区

飼育環境:室内

都市部で室内飼いの犬です。成犬になる前に迎えて以来、健康なので頻繁ではないですが、同じ動物病院でお世話になっています。先生には色々教えて頂きましたが、フロントラインの投与についてお訊きした際、「街中の生活で不要」とのことでした。不要だけど私(飼い主)が用心のためにするのだからと、他の動物病院で通販しているフロントラインを購入して滴下を続けてきました。

先日、前肢に3~5ミリ位の赤い出来物を見つけて、同じ先生に診ていただくと、「まだ診断はつかないが、患部先端に穴のようなものがあり、ダニに刺されたのではないか。パナログを塗布して経過を見ましょう。」とのこと、納得しました。
ところが、先生のお話は続き、「当院でフロントラインを出していないですね」とのこと、他の動物病院より購入して使用しているとお答えしますと、「薬の通販をするような獣医師は獣医師会に入っていない。入りたくても入れない。そんな薬を使って害虫に寄生されても誰も責任取ってくれない~」と、私への非難ではなく、販売している病院の誹謗中傷をかなり仰いました。
私はいかなる場合でも、犬自身が選んで行動できない以上、全て飼い主の責任だといつも考えていますが、責任云々より、そのようにダニだと強調され、ダニが媒介する感染症の方が心配になりました。
けれども先生の機嫌が悪く、それ以上のお話ができず連れ帰り、パナログを塗布するにも毛があり難しく悩んでしまいました。
そしてふと、患部を発見する前日にドッグランに行ったことを思い出し、いっしょに行った犬友さんにこのことを話しました。
皆、犬には異常ないとのことでしたが、念のためそろって別の病院に犬を連れて行きました。
やはり他の犬たちは異常なく、うちの犬も患部の毛を剃ってもらいました。先生の診断は、やはり「現段階ではわからないので、経過観察。薬の塗布は触ることが刺激になるので不要では。」とのことでした。
心配しているダニ媒介の病気については、「断言できないがダニかどうかもわからない。刺し傷だという部分も毛穴に見える。原因不明で毛穴にバイ菌が入り腫れることは珍しくない。」とのことでした。

長くなり申し訳ありません。
1、後の先生が仰るような、原因不明の毛穴の化膿は、よくあることなのでしょうか?
2、予防法が適切でなかったためにダニが寄生すると、全身ダニだらけになると私は考えていましたが、1ヶ所だけ刺されることもあるのでしょうか?
3、仮にダニだとして、今は元気ですが、ダニ媒介の感染症について、飼い主として、どのような観察が必用でしょうか?

なお、患部の痛みやかゆみは無いらしく、犬はまったく無症状で気にしている様子がありません。
犬にアレルギーはありません。
このようなことから、当初は肥満細胞腫等の悪性腫瘍を心配して病院に行きました。その点も未解決です。
よろしくお願いします。

日時2017-10-15 13:30:26

専門の獣医師からの回答

1)「毛穴の化膿」というのは、毛包炎のことを解りやすく表現したものと思われます。毛包とは、毛根を取り囲んでいる鞘のような部位のことで、この部分に炎症を起こしたものが毛包炎です。毛包炎はそれほど珍しいものではありません。原因は外傷などの物理的刺激やアレルギーに伴う細菌感染や、ニキビダニの寄生などさまざまですが、通常は単一の毛包だけが炎症を起こしているのであれば、あまり心配はないと思われます。もしも周辺に多発していたり、体のあちこちに見られる場合は、背景に基礎疾患が存在することも考えられますので、早めの受診をお勧め致します。
2)マダニが刺すと、口器を皮膚に突き刺して一カ所で数日間吸血しますので、1匹のマダニに刺される場合の傷は通常1箇所です。
3)犬にとってダニが媒介する病気で注意したい主なものは、バベシア症とSFTS(重症熱性血小板減少症候群)です。バベシア症は赤血球に寄生する原虫によって、発熱や貧血を起こす病気です。元気・食欲の低下や、尿の色が濃い(赤血球が急激に壊されることによる)、舌や口の中の赤みが薄い(貧血が進行すると)などの症状が一般的です。
犬のSFTSの報告は現在のところまだ少ないため詳細は不明ですが、元気・食欲の低下、発熱、白血球減少、血小板減少が見られるとされています。ヒトもマダニから感染しますので、注意が必要です。限られた情報ですが、イヌやネコからヒトへの感染の可能性も指摘されています。ヒトも犬もダニに刺されないようご注意下さい。
3)悪性腫瘍の可能性については、添付の画像から判断することは出来ませんので、患部が順調に治癒せず、逆に拡大するような場合には、腫瘍の心配がないかを含めてもう一度診察を受けられることをお勧め致します。

日時2017-10-20 14:34:55

犬子(質問主)


詳しくご回答いただき、ありがとうございます。
経過として、2週間後の現在、少し枯れてきた感じです。
犬は元気で食欲もあり、便通もよく、患部の痛みやかゆみの症状もなく、今回は安心できそうです。
ご回答も、不安がなくなり、また殊更楽観視するわけでもない、本当に信頼できるもので、ありがたいと思いました。
ありがとうございました。

日時2017-10-23 10:33:37

記事への感想や、愛犬のかゆみで悩んでいることをお聞かせください。5月末までにご回答頂いた方の中から、抽選で10名様にAmazonギフト券500円分をプレゼントします。

 
これまでに3,000件以上もの相談が寄せられています。
みなさんの心配事に似ている過去の事例がないか、症状、病気、体の部位、薬、犬種・猫種など気になるキーワードで、相談・回答を検索してみましょう。

相談を検索する

種別: