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うさぎと暮らす・うさぎと暮らす|更新|2016/12/23

健康診断には便持参を うさぎの胃腸とうんち

第14回はうさぎの胃腸を中心に、健康・不健康な状態のうんちについてご紹介します。うさぎをお迎えしている方には特に知ってもらいたい情報です。(うさぎと暮らす編集部)


食糞して栄養を摂取するうさぎ
食糞して栄養を摂取するうさぎ

うさぎの胃腸のつくり

 うさぎは草食動物であり、被捕食動物であるため、食餌が目の前にあるときに摂取しなくてはならず、体のつくりとしても常に胃腸を動かしていかなくてはなりません。うさぎの胃は大きく、消化管全体の1/3を占めており、入り口と出口が狭い袋状になっています。

うさぎの胃
うさぎの胃

 また腸は球状と盲腸糞(もうちょうふん)の2種類のうんちを作り出すため、特殊な形をしています。

胃腸全体図
胃腸全体図

 2種類のうんちを作り出すと聞くとびっくりする方もおられるかもしれませんが、食べたものを結腸の中でコロコロした丸い通常糞と柔らかいつやつやした独特のにおいがある盲腸糞(ブドウ型)に分別されます。

硬糞と盲腸糞
硬糞と盲腸糞

 通常糞は硬糞とも呼ばれ、栄養的にほぼ不必要なもの、選り分けられた栄養分は、盲腸糞として排泄されます。この盲腸糞は「食糞」としてうさぎが直接肛門に口をつけて食べることで再び栄養として摂取します。夜中にこの行動をするうさぎも多いため、盲腸糞を見たことがない飼い主さんもおります。

 盲腸糞はタンパク質とビタミンBが豊富に含まれており、うさぎにとって必要な栄養分ですが、通常の食事である牧草やペレットでお腹がいっぱいなうさぎは時に盲腸糞を残してしまうことがあります。また、肥満で肛門に口をつけて食べられないうさぎも少なからずおります。


うさぎの健康はうんちから判断できる

 うさぎは環境の変化に敏感でストレスを感じやすい動物です。外界の気温、気温の変化、換毛、騒音、何らかの病気など、人間から見たちょっとした変化でも体調を崩してしまうことがあります。静かな環境で変化の少ない穏やかな暮らしを望んでいるのです。

 さまざまなストレスから食欲不振、下痢、腸にガスがたまる、うんちが排出されない、あるいはうんちが小さいといった症状が現れると、胃腸が動いていない状態となり、そのままの状態に放っておくとうさぎの命にかかわってきます。うさぎの食欲不振は軽く考えずに、すぐに病院へ行き、獣医師の判断を仰ぐ必要があります。

 こうしたうさぎの症状を予防するためにも、うさぎのうんちを健康のバロメーターとしてよく観察することが大切です。健康な状態のうさぎのうんちの大きさ、色、柔らかさ、割った時の断面(毛がたくさん混ざっていることもある)などを把握しておいて、日々の健康チェックをしていただくことを推奨しています。

 健康状態のうんちは個体差があり、体格の違いもありますので、一概に大きさで健康を判断することはできませんが、イネ科の乾燥牧草(チモシー)をたくさん食べているうさぎは、色も牧草と同様で、手でふわっと押しつぶすことができるほど断面にも粗繊維のすきまがあります。ペレットや生野菜ばかり食べているうさぎは黒くて硬いうんちになります。換毛中に毛をセルフグルーミングしているうさぎのうんちはまるでネックレスのように毛が混ざってチェーンになったうんちになります。

 食欲不振の前兆としてうんちがゴマのように小さくなったり、俵型や涙型などに変形する現象が現れるうさぎもおります。

良いうんちと悪いうんち
良いうんちと悪いうんち

 健康なうんちへの近道は、うさぎ自らが牧草を歯ですりつぶして飲み込み、大きさが不均一な粗い繊維を摂ることで腸のぜん動運動を促すことです。ペレット(ラビットフード)にも粗繊維質が含まれていますが、大きさが均等で細かく粉砕されている製品が多く、うさぎの胃腸の健康を維持するよりも栄養補助食品と考えたほうがよいでしょう。

 しかしながら実際のところ、乾燥のイネ科牧草を好まないうさぎも少なからずおります。なぜかといえば飼い主さんが『もっとおいしいフード』を与えてしまうため、『粗食はいらない』というぜいたくなうさぎにしてなっているケースがあるからです。

 たとえば牧草に比べると、ペレットも乾燥野菜も生野菜も嗜好性が高いのです。一度覚えてしまうと、うさぎも夢中になってしまいます。だからといって牧草を与えるのをやめてしまうことはおすすめできません。

 最近は、イネ科牧草にもいろいろな種類を扱うショップが出てきましたので、その中からうさぎが好むイネ科牧草を与えるようにしてほしいという考え方を提案しています。

うさぎは繊細な生き物
うさぎは繊細な生き物

 イネ科牧草の中にもうさぎの嗜好性が高い製品があるのです。他のフードよりも牧草重視の食生活を送ってもらうことでうさぎの健康を維持することができます。

 私たちが本誌で推奨しているのは、うさぎの健康診断。特に食欲不振から胃停滞を繰り返すようなうさぎは、健康な時から半月に1度くらいうさぎの健康診断に行き、その際にその朝のうんちを持参して獣医師の視診や検査を受けておくようにお勧めしています。

うさぎと暮らす

うさぎと暮らす(うさぎとくらす)

2001年創刊。うさぎとのよりよい暮らしを目指し、「飼う」のではなく「共に暮らす」ための情報を様々な角度からお届けしています。季刊(年4回発行)。1337円(税込み)。
URL:http://www.magazineland.jp/products/list.php?category_id=23


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