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犬や猫には安心できる隠れ家を ムダ吠えを防ぐ飼い方、住環境

吠えぐせはどうすれば直る?
吠えぐせはどうすれば直る?

 大切な家族である愛犬も、あまり吠えるようだと困ってしまいますね。特に住宅が密集している都市部では、近隣トラブルにもつながるので、なんとかやめさせたいものです。吠えるのをやめさせるのは、しつけの問題にはなりますが、吠えなくても済むような環境や、しつけのしやすい住まいを整えることも重要です。

 

 

警戒心で吠えているなら、ハウスを見直して

 まずは犬の立場に立って、なぜ吠えるのかを考えてみましょう。犬から見れば人間は物理的に大きな存在で、特に小型犬から見れば巨人のようなものです。さらに、耳もしっぽも持たず、ボディランゲージも乏しく、気持ちを読み取るのが難しい相手です。唯一気持ちが読み取れそうなのは表情や目ですが、座っているときはともかく、立ち歩いているときには顔もよく見えないこともあります。


 犬は飼い主が大好きですから、寂しいときほど顔を見たい、注目してほしいと思っています。吠えれば、飼い主の注意を引けたり、振り向いてくれたりする、と学習してしまうと吠えぐせがつき、吠えるのが習慣になってしまいます。


 あるいは、警戒心などから異常を訴えていることもあるので、不要な不安を抱かせない環境が必要です。


 犬が不安を感じたときや動揺してしまったときに、とりあえず逃げ込んで心を落ちつけられる隠れ家となる箱状のハウスを用意してあげましょう。知らない人が来たり、不審な物音がしても、興奮して吠えるのではなく、まずはハウスに逃げ込んで様子をみるという行動を促します。


 安全なその子だけの居場所となるハウスは、犬だけでなく猫にも有効です。無駄な興奮を防ぎ、不安から起きる爪研ぎやスプレー行為など住まいを傷つけるようなことを減らすことが期待できます。

 

犬の隠れ家
犬の隠れ家

飼い主の姿が見えても、向き合わない配置に

 ハウスは寝床と兼用でもかまいませんが、安心して引き込もれる環境であるかどうかは検証する必要があります。


 たとえば、目の前を人が頻繁に歩き回るような場所では落ち着けませんし、逆に飼い主の気配がまったく感じられない孤立した場所もNGです。飼い主と一緒に過ごせるリビングで、人の姿は見えるけれども、直接向き合ったり目が合わない配置が理想です。できれば、外で人が行き交うのが見える窓や来客を知らせるインターホンからも離しましょう。


 ちなみに、ハウスは安全で安心できるだけでなく、お気に入りの場所である必要があるので、悪いことをしたときに罰として閉じ込めるような使い方をしてはいけません。

 

猫の隠れ家
猫の隠れ家

飼い主が幸せなら、犬も安心

 犬は退屈や運動不足をアピールするために吠えることもあります。おもちゃを与えたり散歩に連れ出していても、それだけでは十分ではありません。犬にとっても一番うれしいのは、飼い主とかかわることです。少しでも関わる時間を増やしてあげる努力も必要です。


 猫もそうですが、犬は特に飼い主のコンディションに敏感です。飼い主がイライラしていると犬も気持ちが不安定になりますし、飼い主がリラックスしていれば、犬の心も安定し、それだけでも困った行動を抑制する効果があります。


 ペットのための住まい環境を考える際も、ペットを喜ばせることより、家事が楽にできるとか世話がしやすいなど、人間が快適に過ごせる環境づくりという視点も重視しましょう。


◆ムダ吠え防止のポイント
(1)心が落ち着く“隠れ家”を用意
(2)飼い主自身の快適さも大切に


(金巻とも子)

 


金巻とも子
かねまき・こくぼ空間工房主宰。一級建築士、一級愛玩動物飼養管理士、家庭動物住環境研究家。設計業務の他、ペットとの快適な暮らしをテーマに住環境コーディネーターとしても活動。著書に『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、『マンションで犬や猫と上手に暮らす』(新日本出版社)、『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)がある。

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