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小さな子犬はスマートな中型犬に 家族の行動範囲も広がる

すらりと脚の長いビフ
すらりと脚の長いビフ

 保護団体から引き取った雑種の子犬は、1年もすると、狩猟犬のように、すらりと脚の長い犬に成長した。運動好きで、競技会に出場するなど、犬を通じて家族の行動範囲も広がった。

 

(末尾に写真特集があります)

 

 横浜市在住の大渕麻乃さんは、結婚前、実家にたまたま迷い込んできた雑種犬を飼っていた経験がある。自分の家庭をもってからも、「次に飼うとしたら雑種」と決めていた。


 友人のひとりが保健所から犬を引き取ったことをきっかけに、「自分も保護犬の引き取り手になりたい」と考えるようになった。パートナーと保健所を訪ねるなどして、犬を探し始めた。そんな中、保護動物の譲渡希望者を募集するウェブサイトで、兄弟2匹で写った犬の写真が目にとまった。


 写真の子犬に面会するため2006年1月、横浜市にある保護団体「アニマルハートレスキュー」を訪れた。子犬2匹はどちらも生後2ヶ月半ほど。動物愛護センターから引き取られ、母犬と一緒に保護されていた。大渕さんが施設に入っていくと、1匹の子犬が人懐こく近づいてきた。ビフとの出会いだった。


 ペットショップの子犬が生後2ヶ月前後で親元を離れるのに対し、施設でも母親と暮らしていたビフは、情緒が安定していた。元々むだ吠えも少なく、マンション暮らしの大渕さんにはありがたかったという。

 

 

◆「生き別れた弟」との再会

 生後1年になると、ビフは脚がすらりと伸び、体重も16キロまで増えた。走るのが好きで、ササミなどの肉を好んで食べる。大渕さんは、父犬が「サイトハウンド」だったのではないかと想像した。サルーキやボルゾイなどのように、脚が長く、優れた視力と走力をもつ狩猟犬だ。


 運動が好きなビフのため、夫婦で公園やドッグランへ出かけるようになった。ビフを引き取って1年半ほどたったある日、友人に誘われて練馬区にある光が丘公園へ出かけると、ビフによく似た犬に出会った。年齢と誕生日を聞くと、こちらもほぼ同じ。横浜市の施設で一緒に保護されていた実の弟だとわかった。


「普段は行かない場所で偶然出会ったので、驚きました。相手のご家族も、いつも光が丘公園で遊んでいるわけではなく、その日はたまたま訪れていたそうです」

 

ビフと大渕さん
ビフと大渕さん

◆スポーツで活動範囲が広がる

 2008年からは、疑似餌を引いて、犬に追いかけさせるスポーツ「ルアーコーシング」を始めた。走った後は、脚をマッサージして互いの絆を深める。他の犬とも、人間とも、触れ合うことが好きなビフは、このスポーツを始めてから、いっそう活動的になった。大渕さんも寄り添ってくれるビフの存在が励みになったという。


「娘を妊娠し、出産を経験した時にも、犬の飼い主同士のネットワークにずいぶん助けられました。赤ちゃん連れで出かけても、ビフが一緒だと周囲の人の目も温かくなります。娘が生まれて半年くらいの間は、ビフにもストレスがあったようですが、徐々に仲良くなりました」


 アウトドア好きなビフがいろいろな体験をできるように、トイレトレーニングや車での移動、人の往来が多い場所などにも、徐々に慣らしていった。遠方で開催される競技イベントに出場したり、富士登山に出かけたりと、行動範囲が広がった。「実家で飼っていた犬は、町内だけで暮らしていたので、もっといろいろな所に連れて行ってあげたかった、という気持ちがありました」と、大渕さんは語る。


「ビフが来てから、毎日幸せを感じます。困ったこともありますが、嬉しかったことの方がだんぜん多いです」


 大渕さん一家に幸せを運んだ保護犬ビフは、今年で13歳。腎臓病の症状も出てきた。若い頃のような遠出をする機会は減ったものの、今でも自分のペースで大好きなルアーコーシングを楽しんでいる。


(鈴木紗綾子)

 

一般社団法人アニマルハートレスキュー
横浜市を拠点に犬や猫の保護活動を行っている。1996年から横浜駅・関内駅の猫の避妊去勢保護活動を開始。2000年から定期的な里親会を開催するとともに、茨城県動物指導センターからのレスキューを開始。シェルターは、動物病院・ドッグホテル・トリミングサロン・グッズショップの複合施設「アニマルセラピーハウス」に併設されている。
住所:横浜市都筑区茅ヶ崎中央28-8
TEL:045-530-4771
アニマルハートレスキュー公式HP: http://www.animal-heart-rescue.net/
アニマルセラピーハウス公式HP: http://www.momo.yokohama/
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出典:sippo
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