「りすお」にゾッコン?! 乙女な猫「うなぎ」の幸せの瞬間

お年頃になった猫のうなぎ。八割れフェイスにまんまる瞳がチャームポイント
お年頃になった猫のうなぎ。八割れフェイスにまんまる瞳がチャームポイント

「この頃、様子がおかしいんです。気づくと、『りすお』をじーっと見つめて。好き過ぎる感じ」


 見つめているのは、生後10カ月の保護猫「うなぎ」(♀)。大学生の深谷真有さん(21)の家で昨年飼い始めた。ハチワレの美人猫だ。見つめられる相手は、シマリスの「縞りすお」。推定8歳(♂)。


(末尾に写真特集があります)


 真有さんがいう。


 「都内で昨年生まれ、生後1か月でうちに来た『うなぎ』は、8月で1歳になります。人以上に、『りすお』のことが気になるようで、『ちゃんといるわね?』という感じで、しょっちゅう部屋に会いにいき、まるで彼女のようです(笑)。りすおを窓際で日向ぼっこさせている時も、きっちり見張っています」


 けれど、2匹の逢瀬は、いつもケージの金網越しだ。

 

「りすお兄ぃ、どうかしたの?」 常にりすおが気になるうなぎ。りすおのケージは高さが1m近くある
「りすお兄ぃ、どうかしたの?」 常にりすおが気になるうなぎ。りすおのケージは高さが1m近くある

「うなぎ」は「りすお」と遊びたがっているように見えるが、すばしっこい「りすお」が逃げ出す恐れがあるため、ケージから出すことはない。


 もっとも、家に「りすお」だけ1匹だった頃には、ケージから出して部屋で自由にさせることもあったという。


「以前の『りすお』は、カーテンレールに登っておやつを食べるなどしていました。でも、冬眠から目覚めたら、性格が急に変わっていた(笑)。ちょっと荒っぽくなったので、『うなぎ』がいてもいなくても、今はケージから出せないんです。「りすお」にも、ホントにいろいろなことがあって……」

 

カーテンレールの上で遊ぶりすお(3年ほど前)
カーテンレールの上で遊ぶりすお(3年ほど前)

「りすお」は3年前、真有さんの3人家族とともに地方のマンションから、現在の神奈川県の一軒家に引っ越してきた。「りすお」を飼い始めたのはその3年前だ。


 もともと「りすお」は真有さんの母親が、働いていた飲食店で“保護”した。どこからともなく現れ、母親は見つけた時「ネズミだ!」と思ったという。体が小さく、調理場にすぐ隠れてしまい、夜になってから、またひょっこり顔を出した。


「仕事が終わってから母が1時間半かけて捕まえ、店には置いておけないので、家に連れて戻ったんです。店でリスを逃がした人がいないか調べたり、近所に問い合わせをしたりしたんですが、手がかりはありませんでした」


 リスを動物病院に連れていくと、推定1~2歳といわれた。病院側でも飼い主探しを手伝ってくれたが見つからず、「もし家で飼えるなら、飼ってあげてはどうですか」と先生にもすすめられ、家で飼うことにしたのだった。真有さんが当時を振り返る。


「飼い始めた当初は、ハムスター用のケージで飼っていましたが、ストレスを感じたのか毛がたくさん抜けてしまいました。それで、シマリスの生態について猛勉強したんです。ケージを大きなサイズに替えて、えさにもこだわって。あまり見つめたり近づき過ぎたりせず、適度な距離を保って接するようにしたら、毛が生えてきました」


 家にきて2、3カ月経ち、毛がフサフサに生えそろった頃から、家族になつき始めた。安心して、真有さんや両親の肩にのったり、真有さんの手の中で寝てしまったりすることもあったという。


「新しく『うなぎ』を迎えたので、『りすお』が気にしないかな、怯えないかなと思ったけれど、私たちの心配をよそに、2匹は心を通わせていったように思います。『りすお』は前にストレスでひどく禿げたけど、うなぎに見つめられても一度も毛が抜けたことがないし、むしろ、『うなぎ』をちょっとからかって、下に見ているようなとこもある(笑)」

 

ボール遊びのあと、二匹で夕涼み
ボール遊びのあと、二匹で夕涼み

 最近、りすおに“ランナーボール”と呼ばれるリスの運動用のおもちゃを新調した。プラスチック製の球形の器具で、中に入って動くと、前後左右にクルクルと回転する。その後を、「うなぎ」がトコトコとついて歩く。途中で「りすお」が体勢を変えて、方向を変えると、「うなぎ」はビビって逃げる。そんな遊びを繰り返している。


「ひとしきり遊び終えると、2匹で風を受けて窓際でまったりしているんです。見ていてもほのぼのします。2匹でいるのが好きなので、梅雨の晴れ間には、縁側にケージを置いてひなたぼっこさせています」


「うなぎ」は「りすお」に“首ったけ”だが、最近、苦手な存在も出現した。それは、ご近所の飼い猫。自由にさせているのか、たまに真有さん宅の庭に遊びにやって来る。「うなぎ」は、その姿を見るだけでフーフー威嚇して、部屋に逃げこむ。それがだんだんひどくなったという。


「極度の“猫見知り”になりました。前はリードをつけて庭に下りることもあったんですけど、猫を気にしているようです。今度、うなぎと一緒に生まれた、きょうだい猫2匹たちと会って“同窓会”をしようという話が出ているんです。でも「うなぎ」は家の外に出るのも怖がるので、難しいかも。かといって、「りすお」をお供させたら、他の猫が驚きそう(笑)」


「うなぎ」のきょうだいは、いたずら黒猫の「龍」と「ミー吉」だ。3匹は一緒に保護され、しばらくミー吉の家で育った仲。いつの日か、再会はかなうだろうか!?


(藤村かおり)

 

・気になる先住リスに姫的なアプローチ 甘えん坊なメス猫「うなぎ」

・へその緒が付いた子猫3匹を拾った夏休み 明るく元気に育ったオス猫「ミー吉」

・いたずら猫の禁じられた遊び ティッシュ、お風呂、台所…懲りない黒猫「龍」

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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